テゴクチョン(大谷川)を見下ろす盤亀台の崖のパノラマ

ケーススタディ · 複合現実 · 第1位

複合現実で、盤亀台岩刻画を屋内へ

盤亀台と川前里の岩刻画は、蔚山を流れるテゴクチョン(大谷川)沿いの崖に刻まれています。Bangudae XRは、岩刻画から恐竜の足跡まで、この川の文化遺産をあらゆる屋内空間に届けるMeta Quest 3向けの複合現実(MR)アプリです。

第1位第3回韓国文化遺産デジタルコンテンツ公募展、2024年
展示用映像より:写真から3Dで再構成した、岩刻画の刻まれた岩面。

プロジェクト概要

役割

デザイナー兼開発者(UNISTデザイン学科のKwanMyung Kim教授と共同)

プラットフォーム

Meta Quest 3(パススルーによる複合現実)、Unreal Engine 5で開発

キャプチャ

現地撮影、フォトグラメトリ、360°パノラマ、Luma AIによるAIベースのガウシアンスプラッティング

受賞

第3回韓国文化遺産デジタルコンテンツ公募展で第1位(2024年)

主催

Korea Heritage ServiceとKorea National University of Heritage

部門

XRによるデジタル文化遺産コンテンツの開発

現地を訪れた人は、川の対岸から、多くの場合は望遠鏡越しに岩刻画を眺めます。文化遺産は見えても、実際に近づくことはできません。このプロジェクトは複合現実によって、それを手の届く距離に引き寄せます。

テゴクチョン(大谷川)の現地記録

現地調査では、景観と岩肌、そして訪問者が現在どのように遺跡を見ているかを記録しました。

緑の丘と岩棚のあいだを蛇行して流れるテゴクチョン(大谷川)
テゴクチョン(大谷川)の渓谷。
柵に取り付けられた望遠鏡。画面には拡大された岩肌が映り、遠くに崖が見える
対岸の崖に向けられた望遠鏡。
岩面に刻まれたすべての図像の位置を示す、黒とクリーム色の複製図
岩面に刻まれたすべての図像の位置を示す複製図。

フォトグラメトリとガウシアンスプラッティングによる3Dキャプチャ

フォトグラメトリで岩肌をテクスチャ付きのメッシュに変換し、建物や大きな構造物はAIベースのガウシアンスプラッティングでキャプチャしました。

フォトグラメトリで再構成した岩壁を3通りで表示:元の写真、テクスチャ付きモデル、テクスチャなしのメッシュ
フォトグラメトリで再構成した岩肌:元の写真、テクスチャ付きモデル、メッシュ。
図像を強調表示した岩刻画の岩面の、もう一つの再構成。テクスチャ付きとメッシュで表示
図像を強調表示した岩刻画の岩面:テクスチャとメッシュ。
ガウシアンスプラッティングで再構成した、弧を描く石垣
Luma AIのガウシアンスプラッティングで再構成した石造りの構造物。

パススルーの複合現実で、文化遺産を屋内で鑑賞

パススルーにより、ユーザーは周囲の実空間を感じたまま、目の前に現れるスキャンされた遺物を鑑賞できます。

Meta Quest 3のパススルーで収録:「前へ」「ホーム」「次へ」で、スキャンした遺物を閲覧。

パススルーで、実空間に根ざす

目の前に遺物が表示されている間も、パススルーによって実際の部屋への意識が保たれます。

時代順の構成

スキャンした5点の遺物を、中生代の恐竜の足跡から朝鮮王朝まで、時代順に紹介します。それぞれに名称、時代、解説が添えられています。

最小限のナビゲーション

ナビゲーションは「前へ」「ホーム」「次へ」だけ。体験は安定し、覚えやすく、テストもしやすくなります。

オフィスのパススルー映像の上に浮かぶメインメニュー。3D Artifacts、3D Environments、Panoramas、Gallery、Quit Appの各ボタンが並ぶ

メインメニュー

4種類のコンテンツをまとめたメインメニュー

3D遺物、3D環境、パノラマ、フォトギャラリーには、部屋の上に重ねて表示されるメニューからアクセスできます。レイアウトは拡張可能で、新しいセクションやスキャンが揃いしだい追加できます。

ガウシアンスプラッティングで再構成した、韓国の伝統的な門と塀

デザイン上の判断

あえて最小限に絞ったインタラクション

体験を安定させ、テストしやすくするため、インターフェースは「前へ」「ホーム」「次へ」に絞りました。パノラマとフォトギャラリーを使えば、訪問を考えている人が事前に現地の様子を確かめられます。

成果

第3回韓国文化遺産デジタルコンテンツ公募展で第1位

本プロジェクトは、Korea Heritage ServiceとKorea National University of Heritageが主催する2024年の第3回韓国文化遺産デジタルコンテンツ公募展で第1位を獲得しました。審査は、書類による予選と現地での最終プレゼンテーションで行われました。

ステージ上の演台で、大型スクリーンを背にプレゼンテーションするDanyal
最終審査でのプレゼンテーション。